ごあいさつ

 


kikuta本協議会は、1971年に起きた馬インフルエンザの大流行を受け、国内の馬関係団体が一元的に協議し、自衛防疫体制を確立・推進することを目的として翌1972年に設立されました。このような組織横断的な連携が構築できたことにより、2007年に再び馬インフルエンザが発生した際には早期に終息することができたものと考えています。
また、様々な立場で馬に携わっている方々が有益だと感じていただけるように「馬の予防接種要領」の制定や「馬の健康手帳」の普及、国内外の馬感染症の情報収集・発信、講習会やウェブサイトを介した普及・啓発活動といった防疫施策も実施しています。
近年は、競走馬の海外遠征頭数が年々増加していることに加え、馬術競技においても東京2020を契機として国際化の気運が高まっており、アスリートホースの国際交流がさらに活発になっていくものと思われます。その一方で、馬の交流が盛んになると、伝染病が流行するリスクは高まります。2021年にはスペインの国際馬術競技会でEHV-1神経型が流行し、その後6週間にわたってヨーロッパにおける国際馬術競技会が中止される事態となりました。現在、我が国に発生していない馬の伝染病は幾つもありますが、これらの伝染病を国内に侵入させないような防疫体制の整備や啓発活動がより重要になってまいります。
これらの施策を行う際には、行政上の防疫対応と民間の飼育現場が担う防疫対応との連携、いわゆる官民連携が重要です。本協議会が官民連携の場としても活動していくことにより、国内馬産業のさらなる発展に貢献してまいりたいと考えております。

軽種馬防疫協議会 議長

(日本中央競馬会 理事)

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